里子が里子である事を吹聴する里親

maron2009 による 6. マロンの場合 への投稿 (6. マロンの場合)

里親の家に居た頃、私は嘘を吐いた事がありました。

里親は、私が里子だと、隠そうとしませんでした。
むしろ、彼らが里親をしている事を、
常日頃からアピールしていました。
近所の人は、私が里子だと、知っていました。

付き合いのある近所の人だけでなく、
偶々バスや電車に乗り合わせた人や、街中で居合わせた人が、
「お孫さんですか?」等、声を掛けて来ると、
「この子は里子です」と、話していました。
里親は声が大きな人でしたが、そう言う時の里親の声は、
いつにも増して大きく張りがあり、顔は輝いていました。

小学校中学年位になり、私なりに自我が育ってくると、
里子であるのは駄目な事、里子は悪い子だと思う様になり、
自分が恥ずかしく思え、隠したいと思う様になりました。

里親に連れられて、外出した時の事です。
少し離れた所で、用事を片付ける里親を待っていると、
隣に座っていた年配の夫婦が、声を掛けて来ました。

「おばあちゃんと一緒なのね、いいわね」

私は、嘘を吐きました。
否定せず、「うん」と、頷いたのです。
その夫婦の、上品で優しそうな雰囲気を前に、
自分が里子だと知られたくないと思いました。

やがて、里親が、戻って来ました。
夫婦と里親が、短い言葉を交わしました。
里親は、私が彼女をおばあちゃんと言った事を知ると、
里親は、毎度の事ながら、大きな声で言いました。

「この子は、里子なんですよ」

私は恥ずかしさと、優しそうな夫妻に嘘を吐いた事がばれてしまった
居たたまれなさで、頭が真っ白になりました。

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コメント
  1. たま より:

    私は、養父母宅で育ちましたが、養父母だとは、それこそギリギリまで気付いていませんでした。
    無論、養父母から、この子は養子なんです。
    と言われた事は、一度もありません。

    また、私個人、施設で育てられた事は隠しても、養父母に育てられた事は隠した事がありません。
    隠す必要がないからですが。

    里親は自分の子どもと思って引き取っているんではないと、つくづく感じさせられるエピソードですね。

    私も施設で傷ついた事がありますが、幼い時に受けた心の傷は、後々まで尾を引きました。
    子どもの気持ちが分からない人には、里親の資格はないと本当に思います。

  2. 千代子 より:

    こんにちわ。
    久しぶりのコメントになります。

    >里子であるのは駄目な事、里子は悪い子だと思う様になり

    これ最近よく実感します。
    というのも、相方によくこういった話をするのですが、ここ数ヶ月で、相方は新しい言葉をたくさん覚えています。
    そのひとつが「試し行動」です。
    「お前の試し行動はひどい」と冗談で言われることが多々あるのですが、試し行動をすること=悪い事と思うようになり、最近はこの言葉を見かけると胃が痛くなったりします。
    なんだか怒られているようで。
    受け取り方もそれぞれで違ってくるのでしょうが、「そういう存在であること」が恥ずかしかったり、嫌な事だったり隠さなきゃいけない事だったりするのは哀しいですよね。

    久々のコメントなのに、またずれた事をダラダラ書いているような気がしてきたので、ここまでにします。

  3. maron2009 より:

    たまさん、こんばんは。
    お返事が遅くなって申し訳ありません。

    たまさんのブログ、いつも拝見させて戴いております。
    説得力のある、感傷的ではない内容に、
    いつも、ふむふむと頷きながら読んでいます。

    里親が、里子を家族の一員と思っていない事、
    居候のような存在に思っている事は、
    常日頃から感じていて、特に傷付く事ではありませんでした。
    でも、外で、私が里子と教える必要のない通りすがりの人に、
    大きな声で、「この子は里子です」と宣伝された事は、
    里親の、やたらと晴れやかな表情と声と共に、
    悲しく傷付いた記憶として、残っています。

    子供の気持ちが分からない人は、
    子供に関わって欲しくないと思います。

  4. maron2009 より:

    千代子さん、お久し振りです。
    日常生活の中で、里親家族の扱いの中で、
    里子であるのは駄目な事と、教え込まれて育ったので、
    人並みの自尊心は、育ちませんでした。
    大人になってから、卑屈ではいけないと自分に言い聞かせ、
    考え方を修正する作業をしている所です。
    多分、考え方を修正する作業は、
    死ぬ迄続く、ライフワークになると思います。

    試し行動をする里子さんも、おられるとは思います。
    里子ではなく、実の親に適切に育てられた子供でも、
    下に妹が弟が生まれて、上の子が「赤ちゃん返り」を示すのは、
    よく見られる現象ですし、試し行動の一環のように思います。
    子供の健全な発達過程に見られる一現象を、
    里子に特有の問題行動だと、鬼の首を取ったように取り沙汰して、
    殊更に、だから里親は大変なんですと苦労アピールするのは、
    次に虐待が発覚した時に備えての、下準備に思えてなりません。

  5. maron2009 より:

    代理ミュンヒハウゼン症候群を、御存知ですか?
    子供に異物を食べさせる等、故意に病気にして、
    甲斐甲斐しく看病する事で、周囲の注目を集めたり、
    「献身的な親」と言う評価を得る事に依って、
    親の満たされない欲求を満たす、精神障害の一種です。

    里親になる人は、このタイプが多いのではないでしょうか。
    血を分けた実の子を病気にして、苦しめる代わりに、
    他人の里子を預かる事で、周囲の評価を得る事で、
    普通に生きていれば、決して満たされない欲求を満たす
    里親は、少なくないのではないでしょうか。
    私の思い過ごしでしょうか?

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