里親の虚栄心【嘘】に汚された思い出

maron2009 による 6. マロンの場合 への投稿 (6. マロンの場合)

このブログの主題は、里親制度なので、
児童養護施設の事は話題にしませんでしたが、
私は施設で暮らした経験があります。

最初の里親の家を追い出されてから、
私は施設でピアノを習った事がありました。
ピアノの先生は、若い女性の方でした。
多分、ボランティアで教えに来ていた方だと思います。

ピアノのレッスンは強制ではなく、
希望する子だけに行われていました。
私は、ピアノの先生が大好きでした。

施設に若い女性の先生は何人もいましたが、
スカートを履いて、きれいにお化粧をして、
上品にお洒落をしていた先生は、いませんでした。
施設の先生(保育士や指導員)はハードワークで、
元気いっぱいの大勢の子供を相手に駆け回り、
業務内容には、汚物の処理等も含まれます。
きれいに着飾っていては、勤まらない仕事です。

私は、ピアノの先生の上品さに、憧れを抱いていました。
先生に憧れて、習っていた部分が大きかったと思います。
それでも、ピアノを習った経験は、私の財産になりました。

その後、委託されたB里親の家に、ピアノはありませんでした。
ピアノ曲のCDも、ありませんでした。
私は、学校の休み時間や放課後、
一人でピアノやオルガンを弾いていました。
レパートリーは、バイエルや併用練習曲でしたが、
何度も聞いて、知っている曲であれば、
簡単な曲なら楽譜があれば弾く事が出来ました。

4年生の時、クラスの合唱の伴奏に、
私が指名された事がありました。
「家にピアノがないから練習出来ない」と言う私に、
休み時間や放課後を利用して、
担任の先生が、練習を見てくれました。
同級生から鼻白まれ、孤立していた私への、
先生なりの優しい配慮だったと思います。

しかし、私がピアノを習ったのは施設ではなく、
里親の家で習った事に、なっていました。
里親自身が、習わせていると、嘘をついたのです。
里親はピアノに興味はなく、家にピアノもないのに、
どうすれば私にピアノを習わせる事が出来るのでしょう?

私は「嘘だ」と叫びたくなりましたが、黙っていました。
黙っていましたが、ピアノの先生の思い出を汚されて、
とても悲しかった事は覚えています。
担任の先生に、私は施設でピアノを習ったと話していたので、
私が嘘をついたと思われる事が、嫌でした。

後で、担任の先生には、本当の事を話しました。
里親の家に来てから、ピアノを習った事は一度もない事、
里親の家にピアノはない事は、嘘ではないと言いました。

先生は、私を信じてくれました。
頷いて、「分かってる」と言ってくれました。

私が、人の道を踏み外さずに済んだのは、
私を信じてくれる大人が、少数ながら居たからだと思います。

共に過ごす時間の長短は、関係ありません。
ピアノの先生や、学校の先生のような、
里親と比べれば、接する時間は非常に短い人々でも、
真心と誠意を以って、向き合ってくれる大人がいれば、
その想いは、必ず子供に届くと思います。

家庭という形に拘る必要は、ないのです。

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コメント
  1. lisa より:

    こんにちは 以前社会福祉を考えた時養子縁組を考えた事があります。
    そして最初に検索した言葉が「里親」でした。
    そこでいきついた里親団体のサイトでびっくりしたのが里親が里子を虐待死させた事件の加害者支援でした。
    始めてっきり里子を虐待するなど許せない、厳罰を!と言うものかと思ったのですが
    これでは里子を虐待して殺しても仕方のない事とこの人達は思っているんだなと感じました。
    里親というものに一気に不信感を持ちました。
    そのような自分の行動に責任をとるつもりもない人間に子供を託すのは非常に危険だと感じます。
    その後里親制度と養子縁組は違う事を知りました。
    里親名称問題がありますが、私は逆に里親制度=養子縁組と勘違いする人間が多いと思うので
    あの制度の名前をかえた方がいいんでは?どちらかというとホームステイや託児に近いと思います。
    里”親”という名前がついてしまうので里子を自分の私物と勘違いしてしまうではないかと思いますし
    おかしな幻想をいだいてしまうのではないかと思います。
    この制度が存続するのであれば、名前を換えあくまで国からお金を貰って国から他の人の預からせてもらっている子供という自覚をもってもらってはいかがかなと思います。

    その後このサイトを知りました。皆様の体験少し想像力を働かせれば大いに起こりうる事だと感じます。

    maronさんが信頼できる先生と出会えた事、本当に良かったです。

    このサイトを見ながら子供にとって良い事とは?を考えていきたいと思います。
    ありがとうございます。

  2. dododo より:

    救われるお話ですね。

    マロンさんにとっての大切な「思い出」。それがマロンさんにとって「救い」となったということを踏まえるなら、「家庭的な環境で育てる」という里親制度の大義名分よりも大事なものが見えてきますね。真実の「家庭」は実親-実子関係であってもなかなか築き難いもののように思います。それが里親の元に行けば簡単に実現するというこの制度は欺瞞に満ちていますね。大事なのは家庭的か否かという問題ではなくて、そのお子さんにとっての救済となり得るような「真心」とか「誠意」の存在や、その存在を常に示せる「大人」の存在なのでしょうね。

    レ・ミゼラブルを思い出しました。マロンさんにとってのこの思い出は、ジャン=バルジャンにとっての銀の食器、銀の燭台だったのですね。

    とはいえ、こうした「真心と誠意を以って、向き合ってくれる大人」の絶対数がそもそも少ないように思いますし、割合で言えば減少の一途をたどっているような気もします。

    経済全体が困窮の度合いを強める状況下で、この里親制度を食い物にしようとする輩がますます増大しないだろうか、その事が心配です。今日のニュースにもありましたが、実子であっても平気で餓死に追い込む親が存在しますが、逆説的に言えば、実子だから、殺害にまで至ったから、露呈したということであって、遥かに多くの悲劇が里親-里子関係の中から生まれているのではないか、と懸念せずにはいられませんね。

  3. uncle より:

    はじめてコメントさせていただきます。
    未消化のままでコメントを書くことは控えようと思っていたのですが、どうしようもなくなって自分も何かを発信しなければと思いプログを始めることにしました。

    時間のあるときには見てください。

    闇の大きさに何を書いていいのかも頭がまとまりません。ごめんなさい。養育里親として同じ土俵に立っていると思うだけでいやになります。

    とにかくがんばってください。応援しています。

  4. maron2009 より:

    lisaさん、こんにちは。
    里親団体が、里子を虐待して殺した加害里親を
    擁護する活動をしている事を知ったのは、
    かなり後になってからでした。
    彼らの主張は、相変わらず、
    里子が悪い、里親は大変だ、の一点張りでしたが、
    私は、里親達には、何も期待していません。
    もう諦めているのが、正直な気持ちですので、
    「ああ、やっぱり」と言う気持ちで、見ていました。

    里親の名称が、養子縁組制度と誤解を招くとして、
    独自の名称を採用している自治体が、あります。
    東京都では、養育家庭と言う名称を採用しています。
    しかし、東京都の養育家庭の団体が、
    何故か、里親と言う言葉に固執して、
    言葉狩りをしている現実があります。

    下らない言葉狩りに、血道を上げる間に、
    もっと他にやるべき事があると思いますが、
    彼らにとっては、里親の名誉を守る事が、
    他の何よりも大事な、優先事項なのでしょう。

    ご意見をお寄せ戴き、ありがとうございました。
    また遊びに来て下さいね。

  5. maron2009 より:

    dododoさん、こんにちは。
    子供が一番に望むのは、安心出来る安全な環境だと思います。
    安全な環境が確保されている前提で、
    次に、家庭的な環境を、となるのでしょうが、
    里親家庭は、子供に安全な環境を提供できない、
    提供できているか確認出来ない問題があります。

    私は、ただの「家庭的な環境」なら、
    施設養護の枠の中で、十分可能だと思います。
    最近は、家庭的な環境を意識した施設が増えており、
    私が知っている施設は、そうでした。

    家庭的な環境を意識している施設だからこそ、
    行きたくないのに、里親の家に行かされたとしたら、
    皮肉な話ですね。

    私は、家庭を知らない幼い子供に必要なのは、
    「家庭的な環境の社会的養護」ではなく、
    「家庭そのもの」「親そのもの」だと思います。
    特別養子縁組で育てられ、成人後も生きて欲しいと思います。

  6. maron2009 より:

    uncleさん、はじめまして。
    当ブログをご覧下さいまして、ありがとうございました。
    uncleさんのブログ、時間のある時に、
    ゆっくり拝見させて戴きますね。
    またお越し下さいね。

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