里親による里子虐待死事件に思うこと

gladiolus2009 による 7. グラジオラスの場合 への投稿 (7. グラジオラスの場合)
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平成14年、宇都宮で、
里親が里子を虐待して死亡させた事件があったの。

私がこの事件を知ったのは、すべて終わったあとだったの。
里親団体が「被告の里親のために」募金活動をしてたことも同時に知って
キツネにつままれたような複雑な気持ちになったのは、よく覚えてるわ。

はじめは被害者の里子さん側が民事訴訟を起こし
その費用を募ってるのかと思ったの。
でもよく読むと募金活動で集めたのは「里親側の弁護士費用」とわかり
憤りをこえて、ひたすら唖然としたのはハッキリ記憶にあるわ。

最近ネット上でどこかの里親らしき人が
「里親がカンパを募ったのは里子側の弁護士費用だった」とか言ってるのを見て
またしてもキツネにつままれたような気持ちになったの。

これって刑事事件の裁判だから、里子側は「検察」でないの?
里子側の弁護士って、どういうこと?

でも次の瞬間、「べつの団体が里子側を支援してくれたのかも?」
「民事で里親を訴えて、その費用を募金で集めてくれたのかも?」って
ちょっと期待してしまった私がいたの。
里親連中には幾度となく煮え湯を飲まされてるのに、私も甘いわね。

さっそくググってみたら
里親団体の「宇都宮事件の裁判経費のカンパを募る」ページがヒットしたわ。

前に見たのと同じ団体のサイトであるのはまちがいないけど・・・
・・・こんな内容だったかしら?

以前に読んだ文章を正確に覚えてるワケではないけど
内容が書きかえられてないかしら?

その里親団体の「宇都宮事件」のページは、要点の定まらない、というか、
「わざと要点を左右して、読み手を惑わすような文章」が書いてあるの。
ざっと読んだだけでは何が言いたいのかサッパリわからなかったわ。

またまたキツネにつままれたような気持ちになったけど
気をとりなおしてよーく読むと、まあ、たしかに以前と「主張する内容」はおなじね。
要約すると、こういうことよ。

『里子を虐待して殺した里親に懲役4年の実刑判決が下されたけど
被告はその判決を不服として、控訴しました。
里子は問題児なので、里親は大変な苦労をしてます。
(以下、長々と「里子は問題児」節が炸裂。)
裁判所は、問題児を育てる里親の大変な苦労を理解して
もっと軽い判決、執行猶予つきの判決を出すべきです。
控訴審の裁判費用のカンパをお願いします。』

・・・・・・・。

亡くなった里子の遺族が民事訴訟を起こしたワケでもなければ
その弁護士費用をカンパで募ったワケでもないの。
里親団体が募ってたのは、里親側の控訴審の費用なの。

里親団体もセコイわね。
正直に「里親側に懲役4年の有罪判決が下されました。
被告はその判決に納得せずに控訴しました。
われわれも懲役4年は重すぎると思います。
今後のためにも、実刑判決の先例を残してはなりません。
執行猶予つきの判決が出るよう被告を支援します。
控訴審の弁護士費用をカンパしてください」と書けばいいのに。

その辺のところをハッキリ書かず
いつもの「里子は問題児だから、里親は大変な苦労してる」節でウヤムヤにして
裁判所が理解した上での判決でなかったら「里子も浮かばれない」と詭弁を駆使、
ヒトを煙にまくような文章を長々と展開するモンだから
なんのためにカンパを募ってるのか、あやうく見誤るところだったわ。

私的には「里子を虐待死させた殺人犯」に下された判決が「懲役4年」では
「里親という圧倒的強者」に「一方的に虐待されて殺された子ども」は
「浮かばれない」と思うの。
でも里親に言わせてみれば、罪が執行猶予レベルに軽くならないと
殺された里子が「浮かばれない」そうよ。

この文章を書いた里親に実子はいるのかしら?

幼い実子が「圧倒的強者」に一方的に殴り殺されて
その犯人に執行猶予つきの判決が下されたら
殺された子どもが「浮かばれる」と思うのかしら?

本気でそう思うような人が業界団体の役員として大手を振ってるとしたら
里親業界に自浄能力は期待できないわね。

里親制度の「里子に口なし」体質は今に始まったことでないし
里親の社会的評価とやらを守るのは勝手だけど
そのために「里親に殺された子ども」まで利用しないでほしいわ。
「圧倒的強者である里親」に幼い命をさんざん利用されて殺されて
死んだあとまで都合よく利用されて、この子ホントに浮かばれないじゃない。
私が泣いてもなにも変わらないけど、目から汁がでちゃったわ。

無力な子どもを虐待して殺してたった4年の懲役なんて
「子どもの命をなんだと思ってるの?」と裁判官に問い詰めたくなるくらい
里親側に下された判決は「軽い」と思うけど。

里親の十八番「里子は問題児だから、里親は大変な苦労をしてる」節が
裁判所にじゅうぶん「理解」された上での判決に思うけど。

それでも里親側は判決を不服として控訴したの。
里親側の価値観では「里子を殺した罪の重さ」は「懲役4年」よりも軽いらしいわ。
ずいぶん軽く見られたものね。

ちなみに私も里子時代、亡くなった里子さんと同じように
命の重さが「懲役4年より軽い」問題児といわれたわ。

里親に怯えてワガママいわず言いなりになり
夏は灼熱地獄の工場で働かされても文句ひとついわず
自分のことは自分でやり、里親の手を煩わせなくても
里親は私たち里子を「問題児」に仕立てあげてくれたの。

「反抗的」だの「言うことを聞かない」だの「お金を盗む」だの
「注意すると暴れる」だのと身に覚えのない問題行動を捏造され
里親はせっせと「里親は大変なんです」と言って歩いてたの。
里子のありもしない問題行動をデッチあげて
「里子は悪くありません。環境が(実親が・施設が)悪いんです」とかナントカ
いかにも里親が言いそうなことを言って得意になってたわ。

「里子を工場で危険労働に従事させてます。
学校が休みの日は朝から晩まで働かせてます。
仕事を怠けたらブン殴って食事をあたえません。
おかげでグチのひとつもいわず働いてくれます。
手の掛からない勤勉な良い子で助かってます」なんて
口が裂けても言わなかったわ。

里親が里子を「問題児」にしたがるのは
虐待が発覚したときに備えての「保険」なのね。
そうしておけば里子を殴り殺しても執行猶予つきの判決でけりがつくし
里親団体が弁護士費用もカンパで出してくれるしね。

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コメント
  1. 五木芽衣子 より:

    こんにちは。
    グラジオラスさんは初めましてでしょうか? 里親家庭をテーマに小説をかきたいと思っている21歳です。
    里親家庭の「暗」部も取り上げたいのでこのブログを毎回読ませてもらっております。

    前回の「里子のバイト収入を吸い取る」の記事で思い出したのですが、いろいろと里親関係の書籍を読ませてもらっていたら経験談の中に堂々と「子ども達には朝から新聞配達をやらせていました。給料はわたしがもらいましたが子どもたちには規則正しい生活がつけられたと思っています」というようなことを書いておられる方がいて、ちょっと首をひねっておりました。
    確かその里親さんは5人ほど育てていたと仰っていましたが、そのお金は依託終了時にきちんと渡したのかな?
    もしかしたらそれが里子からの「搾取」だと里親自身は気付いてないの?

    役所(警察)に報告などという意見も出ていましたが、そのようなことが本として全国に出回っており、それがよい里親の見本となっているとしたら、世間からの圧力というのすら希望は少ないんじゃないのかと思ってしまいます。

    今回の里親虐待死事件ですが、何も知らないわたしたち一般人がどれだけ想像力を駆使しても現実の憤りにはとても近づけないと改めて思わされました。

    https://gladiolus2009.wordpress.com/2010/02/18/%e9%87%8c%e8%a6%aa%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e4%ba%ba%e7%a8%ae%e3%81%af%e6%88%91%e3%81%8c%e5%bc%b7%e3%81%84%ef%bc%9f/#comment-195
    こちらであらすじのようなものをざっと書きましたが、追加すると

    虐待死させた里親は里親団体のなかで高位におり、またベテランと言うことで周りからの信頼は厚かったし、里親代表と思われていた。
    当時主人公は幼かったので裁判やその周りの動きについてはよくわからなかったが、死んだ子の葬儀で「死なせるつもりはあるわけない、あれほど都合がいい役どころはないから」という意味の話で盛り上がっているのを聞いて里親の本音を知る。
    それから主人公は自分の目の前にいる子だけは絶対に守りたいという強迫観念を持つようになる。物語後半でそれを指摘しようとした14歳の里子(依託前の長期滞在)と殴り合いの喧嘩をし、自分もあの人殺しの里親と同じだと責め続ける。おまけに14歳の子は「天使」の彼が暴力を振るうほど達の悪い子で相性が悪いと児童相談所から思われて依託取り消しを考えられてしまう。

    というような感じで書いてました。
    もし人殺しの里親がたった4年どころか全く刑務所に入ることなく出てきたと知ったら、主人公の心は立ち直れないくらいぼろぼろにされているかもしれない。
    14歳の子(物語の準主人公)はちょっと性格がストレートなだけのかなりいい子ですが、ちょっとした事だけじゃなくてないことまで言いふらされて問題児扱いにされるのか。
    そんな風に思わされました。

  2. .天からリン♪ より:

    衝撃を受けました。里親制度が利権にまみれているなんて・・・里親のもとでの虐待・・・
    子供たちは、助かる道はないのですね。。。
    里親制度は、ボランティア的な、聖家的なイメージがあったので
    本当に衝撃です。

  3. gladiolus2009 より:

    五木芽衣子さん、はじめまして。
    里子に規則正しい生活習慣を身につけさせたいなら、
    早起きして朝に勉強するのを日課にするとか
    ラジオ体操でもすればいいのに、なぜに新聞配達なのかしら?

    友達が新聞奨学生をしてて少し内部事情を知ってるんだけど、
    新聞配達は一般に想像される以上にハードなお仕事です。
    早朝というか「夜中」の3時に職場に行ってチラシの折り込みをし、
    雨の日は新聞が濡れないようにビニール袋に入れるのも配達員の仕事。
    バイクの免許を持ってる大学生でも「キツい」と根を上げる仕事なのに
    自転車しか乗れない中高生は、もっとキツいでしょうね。

    学費や家計を助けるためにやるのは仕方ないと思うけど、
    里親は里子にかかる養育費や各種手当を受け取ってるのに
    「規則正しい生活習慣を身につけさせる手段」が
    「新聞配達」でなければならない理由が理解できませんね。

    しかも、お給料を里子のために貯金したなら
    フツーに「お給料は貯金した」って言うわよね。
    そう言わないで「お給料は私がもらった」って言ってるってコトは
    里子が苦労して稼いだお給料は、言葉どおりの意味で「もらった」、
    つまり「里親のフトコロに入った」と解釈していいと思うの。

    これって「里親はボランティアで、私費で里子を育ててる」って誤解があるから
    それを疑問視する人もいない中で、こういった類の搾取が平気で行われると思うの。
    里親の中には里子の養育のための手当を毎月もらってるうちに「自分の収入」と錯覚して
    自分の収入=私費で里子を養ってるつもりになってるカンチガイさんも多いと思うわ。
    里親は里子を預かることで200万以上の収入を得てる「事実」が世間の「常識」になれば、
    里子に新聞配達をさせて「お給料は私がもらった」とかヌケヌケとしてる里親に対し
    世間が向ける眼はもっと厳しくなると思うんだけど。

    里子を預かってる里親は、自宅の玄関先に

    「平成○年度、この家は○名の里子が委託され、
    国と自治体から計○○円の手当を受給しました」

    と大きく書いた札でも下げるのを義務化してほしいわね。
    「里親を増やすため」に里親手当が賃上げされたことだし
    里親制度の宣伝効果も期待できてイイんじゃないかしら?

    ・・・と思ったけど、昨年ニュースになった里親による里子虐待事件では、
    学校や近所の人が児童相談所に何度も通報したのに
    児童相談所は里親に遠慮してまったく動かなかったの現実があるの。

    メディアがとりあげてくれるのがイチバン効果的かも知れないけど
    メディアにおける里親のポジションは美空ひばりとか石原裕次郎と同様
    賛美以外の意見を流すこと自体がタブー視されてる感があり。
    批判的な意見を流すと、攻撃的な里親団体の抗議活動に晒されるから
    メディア側も確たる証拠がないかぎりヘタな報道はできないのかも知れないけど
    里親側の「証拠のない憶測」や「一方的な主張」はとりあげられるのに
    その反対の意見は「大声で抗議して潰す」なんて、なんか釈然としないわね・・・。

    五木芽衣子さんも小説の中で里親制度の「闇」を取り上げるのは
    とても勇気のいることだと思います。
    この先いろいろあると思いますが、がんばってくださいね。
    ご活躍を期待してます。

  4. gladiolus2009 より:

    .天からリン♪さん、はじめまして。
    子どもはとっても弱い生き物で、自分の身を守れません。
    労働力として、性的対象として、嗜虐趣味者のサンドバッグとして、
    金銭を得るための道具として利用され、搾取され、虐待され、
    殺されてしまっても、自分を弁護することさえできません。

    それでも多くの子どもたちが餌食にならずに生きられるのは
    親や保護者という「うしろ楯」があるからです。
    その子のためなら「お金」や「オトナの事情」に流されず、
    なにがあっても味方になって守ってくれる保護者がいるからです。
    子どもはとっても無力ですが、強力な「うしろ楯」があれば
    「下心のあるオトナ」もめったなことでは手を出しません。
    彼らも自分の身はかわいいので逮捕されたくないですから。

    しかし、親に育てられない子どもは「うしろ楯」がありません。
    里親の家に委託されようものなら、里親に搾取されます。
    本来なら、子どもの「うしろ楯」になるハズの里親が
    搾取側の先頭に立って、子どもを喰いモノにする──
    ──それが里親制度の「実態」です。

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