8月, 2010 のアーカイブ

尊い人

sii2009 による 5. しぃの場合 への投稿 (5. しぃの場合)

悲しみを背負った子供がいる。

優しく、慈愛に溢れ、寛い心を持つと自負する人々は、子供の悲しみに胸を痛め、あたたかい手を差し伸べる。
尊い自己犠牲の精神で。

彼らに育てられた子供は、どんな夢を見るのだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/futoukou_mama/18771779.html




最近、mixi内で、ある主婦(仮名Dさん)が、
「子供を殺すくらいなら、私の家の前に捨てて」
と言う旨の日記を書き、
その翌日、子供を捨てたがっている母親が現れ、
生後5ヶ月の乳児を遺棄したそうです。

詳細は、りさりさんのブログ、
『ぬるく愛を語れ!』

●個人赤ちゃんポスト? 「子供を捨てるなら私の家の前に捨てて」mix日記・不気味な広がり
●本当は怖い私設赤ちゃんポスト
●「赤ちゃんポスト」と「虐待問題」は別次元

の記事を、御覧戴ければと思います。

Dさんの一連の日記や発言は、
腑に落ちない部分が多々あり、
事実なのか、妄想の産物なのか、
釈然としない物があるのは、確かです。

仮に、妄想の産物だったとしても、
お涙頂戴の美談としてmixi内で広まり、
彼女を英雄視するムードに、
恐怖を覚えずに居られませんでした。

私が抱いた不安、違和感、恐怖は、
上の記事にりさりさんが書かれている事と、ほぼ同じです。

百歩譲って、この騒動が実話だとすれば、
母親は【保護責任者遺棄罪】と言う罪を犯し、
Dさんは、それを教唆、幇助しました。

子供に恵まれず、養子を強く望む夫婦が、
「殺すくらいなら、うちに下さい。大事に育てます」
と言っているなら、心情的に理解出来ます。

しかし、Dさんは、そうではありません。

育児に疲れ、追い詰められた母親に、
適切な窓口や団体を紹介するでもなく、
福祉サービスに繋げる働きかけもせず、
最初から【子捨て】を前提に、連絡を取り合いました。
そして、遺棄された子供を発見し、警察に届けました。

彼女がした事は、それだけです。
後の事は、どうでもいいのだそうです。

Dさんは「命最優先」と言い切り、
彼女の日記には、
「一つの命を助けた」「感動した」等、
賛同コメントが多数寄せられました。

平凡な主婦が、一躍英雄になりました。

彼女を賛美する人々の意見の多くは、
「言うだけで、行動しない人が多い中で、
彼女は自分が出来る事をやって、
一つの命を助けた」と言う物です。

命を助けた・・・?

今回の場合、偶然幸運が重なった結果、
「偶然にも助かった」と言う表現が
適切なのではないでしょうか?

Dさんは、自分の行いがもたらす【最悪の結果】を、
考えた事があるのでしょうか?

熱中症で救急車搬送される患者の多くは、
自力で水分補給が出来る大人で、
室内で、熱中症になっています。

まして、自分で水分補給が出来ない乳児を
炎天下の屋外に放置すれば、
わずか10分で、死に至る危険があります。

逆に、寒い時期は、
低体温で危険な状態に陥るまで
10分もあれば充分です。

カラス等に、襲われる危険もあります。
不可抗力の事故に、巻き込まれる危険もあります。

そして、この話が【美談】として広まり、
mixiの中で【個人赤ちゃんポスト】が市民権を得れば、
ほぼ必ず、悪用する人が出て来ます。
取り返しのつかない被害に遭う子供が、生まれます。

Dさんは、それらの危険性を、
少しでも考えた事があるのでしょうか?

発見した乳児が、危険な状態だった場合、
速やかに容態を判断して、適切な処置をする
知識と技能があるのでしょうか?

物理的に「出来る、行動できる」だけなら、
誰だって、何だって出来ます。
しかし、分別のある大人なら、
「自分が出来る事」の最低条件として、
「その結果に、責任が取れる事」が
あって然るべきではないでしょうか?

物理的な側面だけなら、「出来る事」でも、
その結果に責任が取れないなら、
「出来る事」の中に入れてはならないのでは
ないでしょうか?

彼女は、「命最優先」と言っていますが、
本当に子供の命を最優先に考えているなら、
それがどれ程のリスクを伴い、
子供の命を危険に晒すか、
何よりも優先して考える筈です。

彼女にとっての最優先課題は、
「自分が赤ん坊を拾う事」
だったとしか、思えません。

もっと言えば、
「子供を助けて、注目を浴びる事」
が、目的だったのではないでしょうか?

世間に、自分を良く思わせる為、
自分の欲望を満たす為の道具として
子供を利用する人は、うんざりです。

その手の輩は、どこにでも居ます。
厭きれる程、大勢見て来ました。
嫌になるくらいウジャウジャ居ます。

逆説的に言えば、
【かわいそうな子供】を利用すれば、
誰でも手軽に、手っ取り早く
【社会的評価】を得られる、と言う事です。

英雄視され、祭り上げられるDさんに、
里親達の姿が重なって見えました。

衆議院議員、徳田たけし先生のブログ
に、
里親が、里子の少女に覚醒剤を投与し、
売春させていた容疑で逮捕されていた、
と言う内容が、掲載されていました。

詳しくは、徳田先生オフィシャルブログの

『里親制度』

の記事を、御覧戴ければと思います。

この事件、里親が逮捕されているのですから
刑事事件になると思いますが、
新聞やテレビ等のメディアに、
全く取り上げられていないですね?

里親から里子への虐待や犯罪が、
刑事事件になるのは氷山の一角、
更に、公になった事件の中でも、
メディアに報道されるのは、ほんの一部
だと言う事実を、痛感させられました。

里親制度の闇の中で、
泣き寝入りしている里子達は、
どれ程の数になるのでしょうか。

被害に遭った少女の事を想うと、
胸が張り裂けそうになります。

国会議員の先生が、
里親制度を調査してくれる事になり、
ブログに取り上げて戴いた事は、
本当に心強いです。

徳田先生と、全ての理解者に、
心からの感謝を捧げます。

要保護児童の、施設(乳児院)から里親委託は、
多くの場合、3歳以上の児童が対象で、
2歳以下の乳幼児の里親委託は、
現在、ほとんど行われていません。

その理由として、里親サイドは、
「施設(乳児院)の利益確保の為、子供を抱え込んでいる」
と、主張されておられます。

ここで、一つハッキリさせておきたいのは、
要保護児童の措置先を決めるのは、児童相談所である
と言う事です。

施設や乳児院は、児童相談所に委託されて、
要保護児童を預かっているに過ぎません。
その点は、施設も里親も同じです。

施設や乳児院は、
児童の措置先を決定・変更する権限は、一切ありません。
児童相談所が、一手に担っています。

その点の制度の仕組みを知れば、
里親サイドの主張が、いかに歪曲された物であり、
現実と乖離しているか、御理解戴けると思います。

そして、児童相談所の見解は、
里親サイドの主張と、全く異なる物でした。

児童相談所サイドは、
「2歳以下の乳幼児を里親に委託する事は、ほとんどない」
と認めた上で、以下のように述べておられます。

「仮に、里子に出せる赤ん坊が、施設に居たとしても、
ある程度の歳になるまでは、障害の有無等を確認できない。
障害があると判ると、子供を返しに来る里親がいて、
かえって子供を傷付ける事になる」

これは、私が直接聞いた話ではありませんが、
特別養子縁組で子供を迎えた親御さんが、
児童相談所の職員の言葉として、
ブログに綴っておられました。

児童相談所が、このように述べると言う事は、
過去に、2歳以下の乳幼児の里親委託が
行われていた時期があったのでしょう。
そして、子供がある程度成長して、障害があると判ると、
子供を【返品】した里親が、実際に居たのでしょう。

2歳以下の赤ん坊の頃から、育てられていたら、
子供は里親を、親だと思っていると思います。
親だと思っている人に、捨てられた子供の悲しみ、
心の傷は、どれ程深い物でしょうか。

その様な悲劇が、繰り返された結果、
児童相談所としては、

「障害の有無がわかる3歳前後までは、
子供を里親に委託しない方針」

になったのではないかと思われます。

この話は、里親サイドが主張する
「施設(乳児院)が利益を確保する為」
と、大きく乖離しています。

2歳以下の乳幼児の、里親委託が少ないのは、
里親自身の行いが招いた【結果】です。

自分達の行いを反省せずに、事実を歪曲してまで、
施設(乳児院)のイメージダウンに奔走する里親達を、
皆さんはどう思われますか?