軽率な【私設赤ちゃんポスト】と里親制度

maron2009 による 6. マロンの場合 への投稿 (6. マロンの場合)

最近、mixi内で、ある主婦(仮名Dさん)が、
「子供を殺すくらいなら、私の家の前に捨てて」
と言う旨の日記を書き、
その翌日、子供を捨てたがっている母親が現れ、
生後5ヶ月の乳児を遺棄したそうです。

詳細は、りさりさんのブログ、
『ぬるく愛を語れ!』

●個人赤ちゃんポスト? 「子供を捨てるなら私の家の前に捨てて」mix日記・不気味な広がり
●本当は怖い私設赤ちゃんポスト
●「赤ちゃんポスト」と「虐待問題」は別次元

の記事を、御覧戴ければと思います。

Dさんの一連の日記や発言は、
腑に落ちない部分が多々あり、
事実なのか、妄想の産物なのか、
釈然としない物があるのは、確かです。

仮に、妄想の産物だったとしても、
お涙頂戴の美談としてmixi内で広まり、
彼女を英雄視するムードに、
恐怖を覚えずに居られませんでした。

私が抱いた不安、違和感、恐怖は、
上の記事にりさりさんが書かれている事と、ほぼ同じです。

百歩譲って、この騒動が実話だとすれば、
母親は【保護責任者遺棄罪】と言う罪を犯し、
Dさんは、それを教唆、幇助しました。

子供に恵まれず、養子を強く望む夫婦が、
「殺すくらいなら、うちに下さい。大事に育てます」
と言っているなら、心情的に理解出来ます。

しかし、Dさんは、そうではありません。

育児に疲れ、追い詰められた母親に、
適切な窓口や団体を紹介するでもなく、
福祉サービスに繋げる働きかけもせず、
最初から【子捨て】を前提に、連絡を取り合いました。
そして、遺棄された子供を発見し、警察に届けました。

彼女がした事は、それだけです。
後の事は、どうでもいいのだそうです。

Dさんは「命最優先」と言い切り、
彼女の日記には、
「一つの命を助けた」「感動した」等、
賛同コメントが多数寄せられました。

平凡な主婦が、一躍英雄になりました。

彼女を賛美する人々の意見の多くは、
「言うだけで、行動しない人が多い中で、
彼女は自分が出来る事をやって、
一つの命を助けた」と言う物です。

命を助けた・・・?

今回の場合、偶然幸運が重なった結果、
「偶然にも助かった」と言う表現が
適切なのではないでしょうか?

Dさんは、自分の行いがもたらす【最悪の結果】を、
考えた事があるのでしょうか?

熱中症で救急車搬送される患者の多くは、
自力で水分補給が出来る大人で、
室内で、熱中症になっています。

まして、自分で水分補給が出来ない乳児を
炎天下の屋外に放置すれば、
わずか10分で、死に至る危険があります。

逆に、寒い時期は、
低体温で危険な状態に陥るまで
10分もあれば充分です。

カラス等に、襲われる危険もあります。
不可抗力の事故に、巻き込まれる危険もあります。

そして、この話が【美談】として広まり、
mixiの中で【個人赤ちゃんポスト】が市民権を得れば、
ほぼ必ず、悪用する人が出て来ます。
取り返しのつかない被害に遭う子供が、生まれます。

Dさんは、それらの危険性を、
少しでも考えた事があるのでしょうか?

発見した乳児が、危険な状態だった場合、
速やかに容態を判断して、適切な処置をする
知識と技能があるのでしょうか?

物理的に「出来る、行動できる」だけなら、
誰だって、何だって出来ます。
しかし、分別のある大人なら、
「自分が出来る事」の最低条件として、
「その結果に、責任が取れる事」が
あって然るべきではないでしょうか?

物理的な側面だけなら、「出来る事」でも、
その結果に責任が取れないなら、
「出来る事」の中に入れてはならないのでは
ないでしょうか?

彼女は、「命最優先」と言っていますが、
本当に子供の命を最優先に考えているなら、
それがどれ程のリスクを伴い、
子供の命を危険に晒すか、
何よりも優先して考える筈です。

彼女にとっての最優先課題は、
「自分が赤ん坊を拾う事」
だったとしか、思えません。

もっと言えば、
「子供を助けて、注目を浴びる事」
が、目的だったのではないでしょうか?

世間に、自分を良く思わせる為、
自分の欲望を満たす為の道具として
子供を利用する人は、うんざりです。

その手の輩は、どこにでも居ます。
厭きれる程、大勢見て来ました。
嫌になるくらいウジャウジャ居ます。

逆説的に言えば、
【かわいそうな子供】を利用すれば、
誰でも手軽に、手っ取り早く
【社会的評価】を得られる、と言う事です。

英雄視され、祭り上げられるDさんに、
里親達の姿が重なって見えました。

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コメント
  1. らんらん♪ より:

    初めてコメントします。

    以前からブログを読ませていただいていたのですが、
    読売新聞で気になる投書があったので
    お知らせします。

    2010年8月16日(月)
    タイトル【里親制度の存在知ってほしい】

    ———————
    東京都の養育里親に登録して7年がたつ。
    さまざまな事情で、家庭で暮らすことができない子供を数週間から数年間、自宅で預かり、育てていく制度だ。
    これまでの7年間で10人の子供たちを預かってきた。
    ダウン症の3歳の女の子は、親の病気が治り、笑顔で帰っていった。
    母親に虐待され、パジャマ姿で保護された小学2年生の男の子もいた。
    今いる男の子とはもう4年間、一緒に暮らしている。
    子育ては人生の喜びだが時にはつらかったり、限界を感じることもあるだろう。
    そんな時は、代わりに子育てをしてくれる制度があることも知ってほしい。
    幼児2人が部屋に置き去りにされて死亡した大阪の事件を機に、私たちにもっとできることはないか、里親仲間と考えたいと思う。

    ———————
    以上です。

    こちらのブログで勉強させていただいていたため、
    なんか変な文章だな~と感じました。
    誤解させるような部分がちらほら。。。

    私は「里親制度」に関しては素人なので、
    この違和感がなんなのか、、、うまく表現できません。
    マロンさんのご意見をお聞きしたいです。

    記事に関係ないコメントで失礼しました。

  2. maron2009 より:

    らんらん♪さん、こんばんは。

    何とも、突っ込み所満載な投書ですね。

    制度の仕組みや法を、少しでも知っていれば、
    何処がどうおかしいのか一発で分かりますが、
    制度を知らない世間の方々は、
    コロリと騙されてしまうのでしょうね。

    仮にも、大手の全国紙を自負するならば、
    少しは裏を取って、掲載して欲しい物です。

    >母親に虐待され、パジャマ姿で保護された小学2年生の男の子もいた。

    一番おかしいのは、この部分ですね。
    被虐待児を養育する資格があるのは、
    全国に10人余の【専門里親】だけだと思います。

    児童相談所の一時保護所が満杯で、
    入所する施設が決まるまでの間、
    一時的に、投書主の家に預けられたのかも知れませんが、
    まるで、養育里親に被虐待児を養育しているかのような
    【里親制度への正しい理解を妨げる】表現ですね。

    >東京都の養育里親に登録して7年がたつ。

    この部分については、思わず笑ってしまいました。

    古くから日本にある、「里親」と言う言葉は、
    現在の【養育里親制度】を指す言葉として、
    適切な表現ではありません。

    東京都は、「里親」と言う名称こそが、
    養子縁組と混同され、制度への誤解を招くとして、
    【養育家庭】と言う名称を採用しています。

    都内に【養育里親】は、存在しない筈なのです。

    (但し、【養子縁組里親】は、従来通り、
    里親と言う名称を使用しています。)

    以上の事情を考慮すると、都内の【養育家庭】は、
    「養育家庭は、里親名称を使用するのを止めましょう」
    と周知徹底する事が、本来の在り方だと思えるのですが、
    東京都の【養育家庭】の方々に限って、
    「里親」と言う言葉に、異常に執着しています。

    養育里親の皆さんこそが、
    東京都が懸念する「誤解=制度の現実に反する思い込み」
    を、誰よりも必要とし、しがみついているのでしょう。

    東京の養育里親(笑)さんが、そこまでして、
    世間に良く思って貰おうと必死な姿に、
    哀れみさえ覚えます。

  3. りさり より:

    maronさん、こんにちは。

    記事を取り上げてくださってありがとうございます。
    この件に関しては驚くほどの反響があり,
    虐待問題について世間の関心がどれほど高まっているのかを改めて感じました。

    >【かわいそうな子供】を利用すれば、
    >でも手軽に、手っ取り早く
    >【社会的評価】を得られる

    私もこの件で引っかかったのは彼女の「動機」でした。
    「命を優先」と言いながらもそのリスクについての質問には一切答えず
    まるで「赤子を救えった自分」にはしゃいでいるような印象さえありました。
    安易美談と称賛。
    これにより世間が動くと思うと……

  4. maron2009 より:

    りさりさん、こんばんは。

    この【私設赤ちゃんポスト】は、りさりさんのブログを拝見して
    すぐにmixiの方をチェックさせて戴きました。
    私的に、彼女を諌める人が多いと信じたかったのですが、
    現実は賞賛の嵐で、驚きました。
    彼女の日記より、そちらの方が衝撃でした。

    私も、あの日記は、妄想の産物だと思っています。
    子供が保護下に入ると、親でも自由に会えない事があるのに、
    「母親を子供に会わせた」等、有り得ませんよね。
    息子が警察官なら、彼女は児童相談所の所長ですか?

    妄想の産物だからと、放っておけなかったのは、
    あの日記を真に受けて、真似する人々を見たからです。

    御自身のブログ等で、一連の日記を取り上げ、
    「私も、自分に出来る事を始めます。
    子供を殺す前に、連絡下さい」
    と、呼び掛けるブログやサイトを見て、
    これは座視して居られないと思いました。

    Dさんと賛同者に言いたい。

    親が守ってくれない子供の弱さを知ってますか?
    彼らが、どんな目に遭うか考えた事ありますか?

    人は、他人の子供にどれ程残酷になれるか、知ってますか?

    人一人の人生の重さより、自分の懐に入る小銭に価値を置く人が、
    どれ程居るか、知ってますか?

    この世に小児性愛者がどれ程多いか、知ってますか?
    子供への虐待を楽しむ大人が居る事を、知ってますか?

    彼らが、【守ってくれる親が付いていない子供】
    を手に入れたら、どうするか想像出来ますか?

    小児性愛者や、虐待里親は、異星人ではありません。
    彼らは何食わぬ顔で、私達のすぐ隣に居ます。
    そして、見るからに挙動不審な変質者ではありません。

    凶悪な犯罪者について、近所の人がインタビューで、
    「良い人だった。まさか、あの人が・・・」
    と証言しているテレビを、見た事ないのでしょうか。

    狡賢い人は、容易に周囲を欺きます。
    彼らは【善良な人】を演じる天才です。
    彼らはそうやって何十年と生きて来たのです。

    「殺されるより、生きている方がマシ」

    親が育てない子供が、どんな目に遭うか知って居れば、
    安易にそんな言葉は言えないと思います。

  5. maron2009 より:

    >Mさんへ

    始めまして。
    コメントを戴き、ありがとうございます。

    申し訳ありません。
    今回は、コメントを非公開にさせて戴きました。

    Mさんのコメント内容に問題があるのではなく、
    私の発言が、影響するのを懸念しての事です。

    コメントを戴けて、とても嬉しいです。
    不愉快な事では無いので、恐縮なされる事ではありません。
    お気遣い、ありがとうございます。

    是非またお越し下さいね。

  6. 柚葉 より:

    maronさん、みなさんはじめまして。
    私は3歳から高校卒業まで2軒の里親の家で育ちました。2軒目の里親の家で4歳の時から、お前の親はロクデナシだから、お前は高校を出たら一人で生きてくんだからねと言われて育ちました。身体的虐待はなかったけど、躾は厳格でした。何でも自分でやりました。里親に甘えた記憶はありません。甘えは許されませんでした。小さなワガママも許されませんでした。里親が決めた規律でガンジガラメの生活でした。朝起きてから寝る時まで、規律、規律、規律でした。学校で友達とおしゃべりして帰るのが少し遅くなるのもNGでした。問答無用の支配と管理でした。
    maronさんたちのブログを読むまで、私は不運と思ってました。テレビで里親を見ると、怒りでテレビを壊したくなります。壊しませんけど。私はツイてないと思ってましたが、里子の中ではラッキーな方なんですね。私が預けられた里親は、マシな方なんですね。そうと知っても、里親に感謝する気は起きませんけど。
    里親の家を出た里子の追跡調査、アンケート調査は賛成です。賛成反対って次元の問題じゃなく、絶対あるべきです!!!ないのが不思議です。アメリカやヨーロッパは調査してるのに日本でやらないのは里親が反対してるんですか。恨まれることしてる自覚あるんですねw
    物心付いた時から、お前の親はロクデナシでアテにならない、お前は一人で生きてくんだと言われて育った私。ぶっちゃけ今の会社とマンションの保証人は実親です。親がロクデナシなら、里親は人デナシの人非人です。こんな制度、なくなればいいのに。

  7. maron2009 より:

    柚葉さん、こんばんは。

    貴重なコメント、ありがとうございます。

    大変な里親に当たって(外れて?)しまいましたね。
    とても辛かった事と思います。

    >お前は高校を出たら一人で生きてくんだからね

    これは、【条件付きの生存許可】で、
    子供を否定する言葉です。

    僅か4歳の時から、存在を否定されて育つのは、
    身体的な虐待は無くても、
    心が殺されている環境です。

    このように、里子本人に向けては、
    「お前は【うちの子】ではない、
    ただの預かりっ子だ、
    家族の一員と認めない」
    と言うメッセージを送りながら、
    世間に向けては、
    「実子同然」とアピールする。

    その様が、手に取るように分かります。

    自立した里子の追跡調査は、
    行われるべきだと思います。
    措置終了時に、里子が里親を評価するシステムも、
    導入して欲しい物です。

    「ほとんどの里親は、里子を実子同然に
    愛情を注いで養育している」と言う主張が事実なら、
    調査が行われても、疚しい事はない筈です。

    何故、里親達は調査に反対するのか。

    その理由を考えれば、
    【里親制度の実態】は、自ずと分かりますね。

    >こんな制度、なくなればいいのに。

    私も思いますが、福祉予算削減の為に、
    国が里親制度を推進しているので、
    制度を廃止するのは、困難に思います。

    唯一の救いは、
    実親の同意がなければ、
    里親委託は行われない事でしょう。

    子供にとって、親が最後の砦となるのです。

    里親制度の闇に苦しむ子供を、1人でも減らす為に、
    このブログが少しでも役に立てればと思います。

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