9月, 2010 のアーカイブ

3才 里子 女児 「非業の死」 里親制度の知られざる闇

野田聖子議員は卵子提供による体外受精を決意する前、養子縁組を望んだが、現在の日本の基準では「親になる資格」がないとされてしまった。一方で、「里親」になる審査はそれほど厳しくなく、養育費も補助されることをご存じだろうか。8月末、里親家庭で育つ3才女児が転落死する事件が起きた。この一件をきっかけに、浮かび上がった里親制度の問題点とは──

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8月24日早朝、Aちゃんが市川(仮名)さん宅の地下1階の階段下で倒れているのが発見された。救急車で病院に運ばれたが死亡。3才というあまりに短い生涯だった。

「運ばれた病院で、里親となったご夫婦の説明につじつまがあわないところがあったり、Aちゃんの死体の様子などから、階段から落ちた単なる“転落死”ではなく、虐待の可能性があるのではないかと病院が杉並児童相談所に通報しました。いわゆる、事件性があるのではないかと考えられているのです」(医療関係者)

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かつて野田聖子議員が(50才)が望んだものの、「“親になるため”の厳しい審査」で断念したという養子縁組に比べると、市川さん夫婦のような、「親権を持たない」里親制度の審査基準は厳しくないといわれる。

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「ご夫婦ともに忙しく働いている感じでしたし、2人のお子さんもいるので、里子を預かったと聞いて、驚きました」(近所の住人)

しかし、市川さん夫婦は、Aちゃんを迎え入れてからわずか1ヶ月後には保育園に預けている。これについて、東京都の元児童相談所職員がこう首をかしげる。

「預けてはいけないという規則はありませんが、里親が保育園に子供を預ける場合は、児童相談所に通告する必要があるのです。どういった話し合いがもたれたかわかりませんが、すぐに保育園に預けるというのは理解できません。里親を増やせという東京都の方針があり、審査が甘くなっていたとも考えられます」

審査にあたった東京都里親認定部会の委員のひとりがいう。

「里親家庭として認定するかどうかの審査は、児童相談所からあがってくる書面をもとに行いますが、2時間で10~20件を見ます。その時間内に書面だけで私たちが問題点を見抜くのは難しい。里親として適正かどうかの判断はどうしても児童相談所任せになってしまいます」

(以下略)

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以上、H22年9月16日発売『女性セブン』より。
興味のある方は、ぜひぜひ買って読んでくださいね。

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子供だった私が、国の保護下に入ったのは、
所謂「経済的な理由」です。

うちは、母子家庭でした。
母はパートを掛け持ちして、家計を支えていましたが、
バブル崩壊後の不況の中、母子家庭の世帯主が、
安定した定職と、充分な収入を得るのは、
難しい事だったと思います。

母は、大人になった私に、
当時、どれ程惨めな想いをしたか、
母親が子供を手放すと言う事は、
身が引き裂かれる程、辛い事であると、
話して聞かせました。

母は、苦労話をしたかったのではなく、
親子分離の際、母親が感じる辛さを語る事で、
私を想う彼女の気持ちを伝えようとしたのだろうと、
思います。

うちはかなり貧乏だったようですが、
不思議な事に、私の中では、
「貧しくて辛かった」
「惨めだった」
と言う記憶は、ありません。

確かに、贅沢な生活ではありませんでしたが、
その生活に、不満はありませんでした。

一晩だけ、電気を止められた事は覚えていますが、
懐中電灯と蝋燭を灯して、過ごした夜の事は、
私の中では【楽しい思い出】に分類されています。

蝋燭を灯し、食事をするのは、
誕生日かクリスマスのように思えて、
はしゃいでいた程です。

家庭が貧しかった事は、母が考えている程、
私には、辛い事ではありませんでした。

母と離れ離れになる事の方が、
何倍も辛い事でした。

私は、母が福祉の支援を受けず、
私を手放し、母一人で自立する道を選んだのは、
母の【プライド】の所為だと、思っていました。

しかし、後になって知った事ですが、
母は、役所に相談に行った事があるそうです。

福祉課の役人は、こう言ったそうです。

「子供を施設に入れて、働けばいいだろ」

これは、【母子家庭の自立支援】を謳い、
困った母親達の相談を受け付ける【窓口】の台詞です。

母は、私を預ける決意をしました。

但し、母が私の預け先に選んだのは、
児童養護施設ではなく、里親家庭でした。

母は、私が憎くて里親に預けたのではない事、
むしろ、その反対だと言う事は、理解しています。

しかし、母のこの選択を、私は長い間、恨みました。
時には、口に出して母を責め、母を罵り、
無駄に傷付け合いました。

母は、施設へのステレオタイプの偏見と、
里親への誤認識(里親サイドの宣伝を鵜呑みにした、
事実に反する思い込み)を、持っていました。

「もし」の話をしても、仕方ありませんが、
母が困り果てて、役所に相談した時、
親子分離を防ぐ為の支援を、受けられていたら・・・
と考えると、悔しさにも似た感情が、胸を塞ぎます。

親子分離は防げなかったとしても、
あの時、せめて、何も知らない母に、
【里親家庭の実態】を、教える人がいたら。

私のような目に遭う子供を、一人でも減らす為に、
【里親家庭の実態】を世間に訴え、
被害者を減らす努力を続けなければと思います。




追記(H22/9/14)
このような記事を書くと、
「親が一番と言う訳ではない」
と言う意見を戴く事と思います。

確かに、家庭で親に育てられても、
虐待や、不適切な養育を受け、苦しんでいる方が居るのは、
承知しています。

私は、何が何でも親元が良いと主張している訳ではなく、
虐待する親や、不適切な養育をする親からは、
子供は救出され、保護されるべきだと思います。

我が国の児童福祉政策の最大の問題は、
子供の気持ちを置き去りにして、
大人の意見【子供本人の意思を無視した措置】が、
押し付けられ、強制される事だと思います。

一番大事なのは、
【子供本人の気持ち】を尊重して、
一人一人のニーズに合ったケア、サポートが
提供される事だと思います。

【子供の気持ち】を尊重した結果が、
親子分離や、里親家庭への措置だとするならば、
それはそれで良いと思います。

但し、その際は、子供に、
里親制度についての正しい説明をして、
(養子縁組ではない事、
18歳で措置終了になる事、
里親に措置解除されて、返品される可能性がある事、
里親の私費で養われるのではなく、
十分な養育費が支給される事、
虐待や不適切養育を受ける危険性がある事)
子供が理解した上で、行われるべきです。

欧米では、里子となる児童に、
里親制度について、きちんと説明がなされ、
里子の権利を教えられます。

「あなたは、このように扱われる権利があります」
「このような扱いをされたら、不適切です」と、
日常生活の中の具体的な場面を例に上げて、
子供に分かり易いように、説明します。

もし、里親に虐待や、不適切な扱いをされた場合、
どうすれば良いのか、助けを求める方法も含めて、
きちんと子供に説明がなされるそうです。

児童養護施設の職員さんのブログに、
興味深いエピソードがありました。

その方の勤める施設は、大舎制でしたが、
この春から、ユニット制になったそうです。

それ以前は、子供達の万引きに悩まされ、
週に1度は、商店に謝罪に行っていたそうですが、
ユニット制になった途端、万引きはピタリと止まり、
この3ヶ月、万引きはゼロだと書いておられました。

このエピソードは、単純明快な事実を、
とても分かりやすい形で示唆しています。

「子供の問題行動は、環境の問題」

「子供の問題行動は、良い養育環境に置けば、
目に見えて改善する」

と言う事です。

子供の今現在の問題行動は、
【今現在の環境】を映す鏡です。

今現在、子供が舐めている【苦しさ】を
計るバロメーターです。

「問題行動に走らせている原因こそが、問題」
なのです。

この施設の場合、
大舎制(大人数集団養育)と言う環境が、
子供達を万引きに走らせていたと思われます。

ユニット制(少人数グループ養育)になった事で、
【子供達を不安定にしていた問題】が改善され、
万引きがピタリと止まったのです。

さて、里親家庭の場合は、どうでしょうか。

里親家庭が、優れた養育環境であるなら、
そこで育てられている子供達は、
心身共に健やかで、安定している筈です。
問題行動は、起こさない筈です。

たとえ問題行動を抱えている子供でも、
良い環境に置けば、目に見えて改善する事は、
上記の施設の事例でも、明らかなのですから。

しかし、里親達の主張によると、
現実は、正反対のようです。

里親に預けられている児童は、とても不安定で、
盗癖、虚言癖、暴力、放火等の問題行動を、
絶えず起こしているそうです。

それらの問題は、改善するどころか、
年を追う毎にエスカレートして、
【里親家庭を崩壊させる程】の
凶悪な問題行動に発展するそうです。

ここで取り上げている児童は、
被虐待児ではありません。
非行歴のある児童でもありません。

海の物とも山の物とも付かない幼少期に、
里親委託された児童です。

物心付くかどうかの2~3歳の幼児が、
里親委託されるや否や、問題児となり、
「里親家庭と言う環境の中で
問題行動をエスカレートさせている」
と、里親達は主張しているのです。

里親に問題があるのでは?
と思うのは、私だけでしょうか。

大沼順子ちゃんのように、乳児院では
「心優しい子」「本当に笑顔がかわいい子」
と評価された、特に問題のない子供が、
里親宅に委託された途端、
虐待されても仕方ない障害児になり、
殺されても仕方ない問題児になります。

そして、3歳の幼児を撲殺した
「里親も被害者」
だと、里親サイドは主張しています。

このような主張を展開する里親達も、
他の児童ケアの専門家と【同じ言葉】を使って、
下のように続けます。

「悪いのは、子供ではありません。
子供を問題行動に走らせる環境が悪いのです。
彼らの傷を癒してあげるのが、里親の役目です」

しかし、里親用語で
「子供を問題行動に走らせる環境」
と言う言葉は、

「その児童が、里親宅に委託される前に居た環境」

を意味します。

里親達は、里子の問題行動を、
「実親の家庭環境が劣悪だったから」
「前の里親が、躾に厳し過ぎたから」
「施設・乳児院で育った子だから」等、
子供が前に居た環境の所為にします。

しかし、考えて戴きたいのです。

児童養護施設が、
大舎制からユニット制に変わっただけで、
そこで暮らす子供達の問題行動は、
目に見えて改善しました。

「週に1回は謝罪に行っていた」状態から、
「この3ヶ月間、ゼロ」になったのです。

子供達の過去が、書き換えられた訳ではありません。
子供達が施設に入所する以前に居た環境を、
タイムマシンに乗って変えた訳でもありません。

【今現在の養育環境】が変わったから、
【今現在の子供達の行動】が変化したのです。

心理療法の場面では、
「親が語る【子供の問題】は、親自身の問題」
として扱う事が、常識になっているそうです。

子供の問題行動に悩む親御さん達は、
子供への【治療】を求めて、専門家の元を訪れます。
そして、【子供の問題】を滔々と訴えます。

万引き、家庭内暴力、不登校、自傷、非行行為。
親御さん達を悩ませる子供の問題行動は、
数え上げれば限がありません。

親は【子供の問題】として問題を捉え、
彼らの子供を治療して欲しいと訴えますが、
当面の治療対象となるのは、親自身です。

そして、親への治療が進むにつれて、
【子供の問題】が、改善していくそうです。

子供への直接的なケアは行われなくても、
親がケアを受け、癒される事で、
子供も癒されていきます。

聡明な方なら、お分かりの事と思います。

親が治療を受ける中で、
親自身の抱える問題が、浮き彫りになります。

夫婦関係の問題。
配偶者への怒り。
彼ら自身の【親】への怒り。
子供時代に未消化のまま、置き去られた葛藤。

それらの問題の存在に気付いた親は、
彼ら自身の【問題】と向き合う事になります。
そうする内に、子供の様子に変化が現われます。

親自身が【自分の抱える問題】を処理する事で、
子供の捉え方、態度、話し方、接し方が変わり、
子供の抱える問題も、同時に改善されるのです。

子供が生まれた時から、自分の手で育てた親は、
目の前に居る子供は、自分の【育児の結果】です。

子供が万引きしても、家の中で暴れても、
不登校になっても、他人に危害を加えても、
親は、責任転嫁する矛先がありません。

彼らは、自分の育児の【結果】を目の前に、
何が悪かったのだろうと自問自答し、悩み、
子供と向き合い、自分の闇と向き合います。

しかし、里親は、
児童が「前に居た環境」に、
責任転嫁する事が可能です。

幼児期に里親に委託された子供が、
里親家庭の中で傷付き、
激しい葛藤を抱え、苦しみもがき、
その傷や苦しさが、
【問題行動】と言う形で表出しようものなら、

「施設(乳児院)で育ったから」

「前の環境が、劣悪だったから」

の一言で、すべて片付けられてしまいます。

乳児院で育てられ、施設で暮らす少年少女は、
大舎制からユニット制に変わった途端、
万引きがピタリと止みました。

同じように乳児院で育った子供が、
里親家庭に預けられると、
万引き、盗み、暴力、放火、
やりたい放題の【非行のデパート】になると
里親サイドは主張している訳です。

その主張が、虚偽や誇張ではないとするならば、
里子を問題行動に走らせる原因、
問題の根源は、何処にあるのでしょうか?

実親でしょうか?
乳児院・施設が悪いのでしょうか?
それとも・・・?

第三者の方の忌憚ない御意見を
お聞かせ戴ければと思います。




非行歴のある少年の療育を行っている里親は、
日本に1件だけですが、おられます。
わずか1件だけです。

非行の背景には、虐待が潜んでいる事例が多く、
被虐待児のケアと重なる領域なのですが、
全国里親会は、【専門里親】への委託対象に、
非行歴のある児童を入れる事に、反対しています。

全国里親会が反対していると言う事は、
専門里親の多くが、非行歴のある児童の受け入れに
反対していると捉えて、良いのでしょうか。

尚、里親の大半を占める【養育里親】に、
非行歴のある児童や、虐待で心に深い傷を負っている等、
特別なケアの必要な児童は、委託されません。