10月, 2013 のアーカイブ

「パーマネンシー」は、「恒久性」とか「永続性」を意味する英語です。
児童福祉分野においては、親に育てられない子どもたち(要保護児童)が
施設でもない、里親でもない、恒久的な家庭」で育てられることを意味します。

「パーマネンシー」の理念は、1980年代、アメリカで生まれました。
当時、欧米では多数派だった「里親家庭への委託」のせいで
子供たちに「無用の苦しみ、心の傷」を与えてしまった反省から提唱され、
現在では社会的養護のメインストリームになっています。[*1]

欧米における「パーマネンシー・プランニング」は
要保護児童の「実親家庭への復帰」もしくは「養子縁組」を目的に
親子をワンセットにした支援や養子縁組の斡旋など、さまざまなプログラムが用意されてます。
里親家庭の機能は、限定的かつ短期的な「一時保護所」的な機関として位置づけられており
要保護児童の帰属する家庭でもなければ、疑似親子関係を演じる場所でもありません。
その児童が「恒久的な家庭」に迎えられるまでの「ホームステイ」に過ぎないため
児童に里親を「お父さん、お母さん」と呼ばせることもありません。[*2]

[*1] 【先進国では「里親制度」は縮小廃止→「養子縁組」が主流です】を併せてお読みくださいです。

[*2] 日本では養育里親は無試験・無資格で「希望すれば誰でもなれる」ため
「里親制度」や「パーマネンシー」の理念への理解が低い里親が多数派を占めており
養子にするつもりもないのに里子に「お父さん、お母さん」と呼ばせて喜んでる残念な人が多いのが現状です。

ご無沙汰しております。
本題のみの投稿となります。

EU諸国、カナダ、アメリカの半数以上の州における要保護児童の扱いは
すでに「パーマネンシー・プログラム」が主流となっております。

「パーマネンシー・プログラム」とは「子どもが恒久的な家庭で育てられる」ことを目的とするプログラム。
親に育てられない子どもに「施設でもない、養育里親でもない、恒久的な居場所」を与える制度。
その「恒久的な家庭」として、まずは「実親家庭への復帰」を目指し
それが絶望的な場合は、積極的に「養子縁組」を推し進めてるの。素晴らしいわね。

日本の養育里親とその擁護者は「子どもが施設で養育される弊害」をあげて
「親に育てられない子どもは里親家庭に」と主張しておられますが
日本以外の先進国では「子どもが里親家庭で養育される弊害の深刻さ」が周知されてます。
養子と里子の大規模な追跡調査が行われ、子どもにとっての利益、成長過程における葛藤や精神面の健全性、
彼らが大人になってからの収入や社会的地位、彼らが親になって築く家庭、その安定性などが比較され
あらゆる面において 養子>>>(超えられない壁)>>>里子 という結論が出ています。

それらの先進国では、親が育てられない子どもは早期に「恒久的な家庭」のメンバーとなることを目指し
施設や里親家庭への委託は「短期的、限定的」な措置として最長でも2年以内と定められてるらしいわ。
他人の子どもを短期限定的に預かる人々は「緊急里親」と呼ばれる「有資格者」で
心理学や教育学などの学位取得者を対象に1年間「里親学校」に通って教育訓練を受けた「プロ」なんですって。
日本では里親認定の基準は緩く、生活保護と同等以上の収入があり前科がなければ誰でも里親になれるけど
欧州では大学進学率は10%以下の国が多く卒業も難しいから、学位持ちは「エリート」よ。
同じ「里親」を名乗っていても「誰でもなれる日本」と「エリート家庭の専売特許である欧州」では
そのハードルの高さや生活水準、資質、専門性に雲泥の差があるのね。

そして、物心のついた高年齢の児童や、実親と交流のある児童、家庭復帰が望ましいと見なされる児童の養護は
有資格者の職員が児童をケアする「グループホーム」へと方向転換してるの。
欧米は日本と比べれば「里親委託率」は高いけど、その多くは「親族里親(児童の祖父母、叔父や叔母」で
日本の「養育里親」に当たる「他人の子供を預かる里親」は縮小廃止に向かってるのが「現実」なの。

親に恵まれない子供に「家庭」を与えられるのは「養子縁組」だけなの。
里親制度は「子供に家庭を与える制度」ではないの。
もし、そう主張している人がいたら無知ゆえにカンチガイしちゃってる人なので
ぜひとも「パーマネンシー・プログラム」の理念を教えてあげてくださいね。

ちなみに、故スティーブ・ジョブズ氏は里子だったという流説がありますが、彼は「養子」です。