里親の【親権委譲】と【未成年後見制度】の危険な罠

maron2009 による 6. マロンの場合 への投稿 (6. マロンの場合)

当ブログからリンクしている
たまさんの『はばたけ!養護施設出身者』で、
【子ども手当】の記事に絡めて、
里子の未成年後見人や、里親の親権委譲が
話題になっていました。

現状では、里子に親がおらず、遺産等がある場合、
里親が、里子の財産を、勝手に使う事が出来ます。

勿論、使い道が正当であれば、良いのですが、
里親業界の体質を踏まえると、
里子の財産が、正当に使われる保証は無く、
むしろ、里親に不正に横領される危険が極めて高いと
言わざるを得ない現実があります。

この話に最初に触れた時、
私の親が、私に遺す資産は無いと思いました。

しかし、良く考えると、生命保険がありました。

私が生まれた時は、バブル時代で、
我が家の景気は良かったと聞いています。
その後、色々な事情が重なって、生活に困り、
お金に換えられる物は次々にお金に換えて、
資産を削りながら、慎ましく生活していたそうです。

貧しい暮らしの中で、生命保険は、
生活の為に換金されなかった、唯一の資産でした。

母が死んだら、私は天涯孤独になります。
私の身内と呼べる者は、母だけです。
父親や兄弟は居ません。親戚も居ません。

親が死んだら、頼れる身内は一人も居らず、
一人で生きて行かなくてはならない私の為に、
母は、生命保険だけは、死守して居ました。

また、ある元里子の方は、血縁上の父親から、
財産の生前分与の申し出を受けました。
その方のお母様は、シングルマザーですが、
血縁上の父親に、認知はされています。
つまり、「遺産相続分に相当する金銭を受け取る代わりに、
血縁上の父親の死後、発生する権利を放棄して欲しい」
と、弁護士を介して、申し立てられたのです。

親と交流のある里子は、親が生きている間は、
里親に財産を横領される危険は、ありません。

しかし、親が居ない里子や、里親に預けられている間に、
親が死亡したり、消息不明になった里子は、
財産があっても「知る術もない」のが現状です。

私が直に交流を持っている範囲で、
里親に財産を横領されたケースは、ありませんが、
本当に無いのか、あっても分からないだけなのか、
里親が黙っている限り、誰にも真相は分かりません。

里子に、親以外の親しい身内が居て、
その身内が、親が子に遺した財産が有る事を知っていて、
本人に教えてあげれば、発覚すると思いますが、
そのようなケースは、極めて稀だと思います。

本人が知らない間に、親が遺した財産を使い込まれ、
本人は知らないから、元から無かった事にされ、
里親の悪行は、露見する事なく、闇から闇に葬り去られる。
それが、里親制度下で起きている現実だと思います。

私の場合、里親に預けられている間、
親が死亡して、保険金が入って来ても、
里親が正当に管理したとは、思えません。

里親の家に居た頃、私は、色褪せたお下がりの服を着て、
本来は白い繊維が変色して、黄ばんだブラウスを着て、
ゴムが伸びて、穴を糸で繕った靴下を履いていました。

税金から、充分な養育費を受給していながら、
里子に、新しい靴下さえ買い与えない里親が、
里子の財産を手にしたら、どうすると思いますか?

残念ながら、里親のモラルの平均値は、高くありません。
モラルの低い大人が、好んで里親になっているとしか
思えない現実があります。

愛情いっぱい育てられ、里親に感謝している里子さんすら、
「愛情いっぱい育てられている里子は、ごく一握り」
と言っているのが、今の里親制度の実態なのです。

さて、里親団体は、里子の親権委譲と、
未成年後見人の制度化を、要求しています。

里親が、里子の親権【財産の管理権】を手にしたら、
里子の財産を、合法的に、好き勝手に使えます。

この指摘に対して、里親サイドは、
里子の管財人【未成年後見人】の制度化要求を持ち出して、
「里親以外の者が、里子の後見人になれば、
里親が里子の財産を、好き勝手に使う事はない。
里子の財産は、正当に使われる」と、反論します。

しかし、里親団体が、
里子の未成年後見人の候補として挙げているのは、
児童相談所の所長です。

里親から里子への虐待事件が報道されると、
里親サイドは、児童相談所に責任転嫁します。

「児童相談所は、里子を里親に預けっぱなしである」
「預けた後は全て里親任せで、フォローしてくれない」
と、常日頃から里親の苦労をアピールしておられます。

普段は「預けっぱなし」「預けた後は里親任せ」と
槍玉に上げている児童相談所の所長を、
里子の未成年後見人にしようとしています。

この【カラクリ】が、分かりますか?

里子の【名目上の後見人】は、児童相談所の所長でも、
【実質的の後見人】は、里親になる危険が高いのです。

「預けた後は、全て里親任せ」の児童相談所は、
里子の後見人としての実質的な業務を、
「預けた後は、全て里親任せ」にするでしょう。
もし、横領等の不祥事が起きても、内々で処理され、
【里子の財産は、正当に使われた】と言う事になるでしょう。
里親の悪行は、表に出る事はありません。

昨年報道された、里親から里子への虐待事件でも、
里子の通う学校や、近隣住民から「虐待の疑いがある」と
再三報告を受けていたにも関わらず、
児童相談所は「里親に遠慮して」調査を行わず、
長い間、里親の虐待を放置しました。

大阪で起きた事件では、里親からの虐待で、
里子は下腹部に傷があり、直腸に裂傷、
全身にくまなく殴られたような痣があり、
半年以上の入院加療が必要な重傷を負ったにも関わらず、
児童相談所は、里親とナアナアになって事件を隠し、
実親にも、警察にも、知らせませんでした。
病院が実母に連絡し、実母が警察に連絡した事で、
初めて事件が露見しました。

昨年、里親から里子への虐待事件として、
メディアに報道された事件は3件ありますが、
その内2件は、里子の実親族が警察に通報して、
初めて露見した事実があります。

児童相談所は、虐待の事実を知りながら、
里親を庇って、事件を公にしませんでした。

もし、里子の親権が里親に委譲されたら、
大阪の事件も、公にならなかったかも知れません。

大阪の事件では、病院側は虐待の疑いがあるとして、
早い段階で、児童相談所に報告したと思います。
しかし、児童相談所が里親とナアナアになり、
実親にも知らせず、事件を隠匿しようとした為、
実親に連絡したと考えられます。

病院側が、警察に通報すれば良いのでしょうが、
医療従事者にとっても、疑いがある段階で
警察に通報するのは、ハードルが高いと思われます。
児童相談所なら、もっと軽度な虐待でも、
疑いがあれば、報告するかも知れませんが、
その児童相談所が、加害者とナアナアでは、
表に出る物も表に出ず、闇から闇に葬られてしまいます。

もし、里親に親権が委譲されたら、
病院側は、実親に連絡出来なくなります。

医療従事者は、守秘義務があります。
個人情報保護の壁もあります。
医療従事者が、業務を通じて知り得た情報は、
患者が未成年者の場合、親権者の同意が無ければ、
第三者に漏らす事は出来ません。

相手が実親でも、親権者【里親】の同意がなければ、
入院している事さえ、教える事が出来なくなります。
患者の実親が面会に来ても、里親の同意が無ければ、
子供を実親に会わせる事が、出来なくなります。

里親に親権が委譲されれば、
里子の財産管理や、医療情報の他にも、
色々な場面で、弊害が出ると思います。

実親と里子の面会交流を拒否する、
里子の近況等の情報を、実親に教えない、
実親からの手紙や贈り物を、里子に渡さない等、
あらゆる不当行為が、合法的な行為として、
まかり通る危険があります。

里親は、里子の親権委譲を要求し、
未成年後見人の義務付けを要求しています。

その要求は、一見すると、良案に思えますが、
全体を見ると、里親の不当行為を合法化し、
現行より、密室性の高い深い闇の中に、
里子を押し込める物です。

現行でも、里子の通帳は作れます。
里子のパスポートも作れます。

里親には、里子の養育に充分な手当が出ています。

里子の親権委譲を要求し、
「預けた後は、全て里親任せ」の児童相談所を
里子の未成年後見人に指名して、
里親達は、一体何を企んでいるのでしょうか。

その事で、里子がどれ程の不利益を被るのか、
里親団体の一見綺麗な言葉を鵜呑みにしないで、
その全体像を見て、考えて戴ければと思います。

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