子供を【余剰里親の失業対策】の犠牲にしないで

maron2009 による 6. マロンの場合 への投稿 (6. マロンの場合)

現在、日本には、約4万人の要保護児童がいます。
ほとんどに親がいて、大多数が家庭復帰して居ます。

私は家庭復帰出来ずに、措置解除を迎えましたが、
面会の頻度は、親が置かれた状況に依って
ばらつきがありましたが、親と交流がありました。

親権者の同意や、保証人が必要な時は、
親がなってくれました。

問題になるのは、親が居ない児童や、
親が居ても、交流がない児童です。

出生届すら提出せずに、子供を遺棄する親が居ます。
出生届は提出しても、子供は産院から乳児院に直行して、
1度も面会に来ない親も居ます。

親の人生から、【削除】されてしまった子供達です。

とても悲しい事ですが、
親にとって、【居ると都合が悪い子供】は、
存在します。

私は、生みの親に恵まれなかった子供達は、
特別養子縁組で、育て親の家庭に迎えられる事が、
ベストだと思っています。

しかし、我が国の児童福祉の現場は、
養子縁組の斡旋に、消極的です。

特別養子縁組で、子供を迎えた御夫婦は、
民間の養子斡旋団体を利用された方が、多いようです。

一方で、【養育里親】への委託は、
国がノルマ【数値目標】を掲げて、増やそうとしています。

そのせいか、児童相談所の下では、
親権者が、特別養子縁組を望んでいても、
里親委託されてしまったケースがあります。

ある女性が、乳児院に預けたお子さんを、
子供がいない夫婦の養子になって、
可愛がられて欲しいと願い、
特別養子縁組を希望しましたが、
お子さんは、養育里親に委託されてしまいました。

児童相談所は、子供が特別養子になり、
実の父親への【権利】を喪失する事は、
子供の為にならないと、判断したようです。

特別養子は、実親との親子関係が消滅する為、
実親の財産の相続権を失います。

両親が離婚して、母親が親権を持っていても、
子供は、父親の財産を相続する権利があります。

婚外子でも、父親に認知されて居れば、
嫡出子の2分の1ですが、相続権が認められています。

当事者のお子さんの父親が、どんな人物で、
幾らの財産があるのか、分かりません。

限られた情報しかなく、詳しい事情は分かりませんが、

「自分で育てる事は出来ないが、
子供がいない夫婦に可愛がられて、
幸せになって欲しい」

と言う、切ない思いから、
親権者が特別養子縁組を希望しても、
児童相談所が取った措置は、
養育里親への委託でした。

私が、以前より危惧していた事が、
現実に起きている事を知り、愕然としました。

要保護児童に措置に関わる領域では、
児童相談所の権限は、絶大です。

子供が一旦、国の保護下に入ってしまうと、
親権者でも、どうにも出来ない事があります。

その子が大人になった時、
養育里親に委託されて幸せだったと思うか、
特別養子になりたかったと思うか、
本人でなければ、分かりませんが、

私の個人的な気持ちを言わせて戴ければ、
大人になって、父親を名乗る知らない人物に、
財産の生前分与を受けたり、遺産を相続しても、
失われた子供時代は、返って来ません。

今の苦しさが、癒える事はありません。
生き難さから、開放される事はありません。

時を巻き戻す事が出来ないように、
人生を埋め合わせる事は、出来ません。

望まない妊娠等で、お子さんを育てる事が出来ず、
特別養子縁組を希望する女性が居られましたら、
児童相談所に引き渡す前に、
民間の養子斡旋団体に、相談して下さい。

特別養子縁組は、
居ると都合が悪い子供を、
合法的に戸籍から抹消できる、唯一の手段です。

児童相談所に子供を引き渡すと、
お子さんは、国の保護下に入ります。

そうなると、お子さんの幸福より、
国の政策が、優先されてしまいます。

国の政策は、
「養育里親への委託率を上げろ」
です。

国が、養子縁組より、里親制度を推進しているのは、
長年、里親団体【好戦的な圧力団体】が徒党を組んで
毎年のように、国と交渉をしたり、圧力を掛けたり、
働き掛けを行っているからだと思います。

里親団体の、一見優しい言葉に惑わされず、
彼らの活動内容を見れば、
かなり攻撃性が高い団体だと分かります。

現在、全国で、里親登録者は約7千人も居ますが、
里子が委託されているのは、僅か2千人だけです。

「里親は不足している」と言うのは、都市伝説です。

現実は、全ての自治体で、里親は余って居ます。

その証拠に、里親コミュニティ等で、
「里親登録して、何年になりますが、里子が委託されない」
と言う、里親登録者の不満が、散見されます。

里親団体は、あの手この手で、
余剰里親の失業対策に、奔走しています。

しかし、
「特別養子縁組の成立数を上げろ」
と、政府や自治体に働き掛けたり、
圧力を掛けて居る団体は、ありません。

この決定的な違いが、
国が養子縁組よりも、
里親委託を優先した政策を掲げる
大きな理由だと、私は思っています。

「子供には、施設より、家庭的環境が良い」
「福祉予算の削減になる」
それだけの理由なら、養子縁組を推進する筈です。

里親委託より、養子縁組のほうが、
遥かに【家庭的】で、【安上がり】なのですから。

【こうのとりのゆりかご】は、お勧めしません。
遺棄児として、児童相談所に引き渡されるだけです。

親として、子供に関わるつもりがないのなら、
お子さんが、【特別養子縁組】で
実子と同等の権利を持つ子供として、
育て親の家庭に迎えられる機会を
与えてあげて下さい。

コメント
  1. gladiolus2009 より:

    横レス失礼します。

    読者の方から情報をいただき調べたところ
    「里親の大多数は『養子縁組』を希望してる。
    養子縁組を希望する里親は、養子になれない子ども(親と交流がある子)を預からない。
    里親委託率が低いのは、そのような背景があるからである。
    養育里親(養子縁組を希望しない里親)は不足してるのである」という流言が
    ネット上でまことしやかに語られてるようです。

    これは事実に反する虚偽情報です。

    里親は、養子縁組を希望しない「養育里親」「専門里親」「親族里親」と
    養子にする前提で里子を引き取る「養子縁組里親」の4種類があり、
    これらは里親として登録する段階──「入口」で区別化されます。

    H21年度の厚生労働省の資料によると、里親に委託された児童は約3,800人。
    ※里親団体の「里子入手活動」のせいで、年々増えてます。
    そのうち養育里親などの「養子を希望しない里親」に預けられたのは、約3,650人。
    「養子縁組里親」に委託された子どもは、わずか159人だけです。

    里親登録者の総数は、7,185人。
    そのうち、養育里親などの「養子を希望しない里親」の数は、6,732人。
    (養育里親:5,842人、専門里親:548人、親族里親:342人)
    それにたいして、「養子縁組里親」は1,428人となります。
    ※総数が合わないのは、養育里親が専門里親を兼ねてるとか「重複登録」が可能だから?
    ちなみに里親登録者の中で「里子を委託してる」のは半数以下の2,810人、
    半数以上は「里親登録はしてるけど里子が委託されない」開店休業状態です。

    私はエスパーじゃないので
    「養子を希望する里親が『大多数』を占める!
    彼らは養子にできない子どもは預からない!
    だから養育里親などは不足してる!」とかって
    「調べればわかる虚偽情報」を堂々と流してる方の「真意」や「立場」はわかりませんケド
    養子縁組里親が「大多数を占める」と思えない私の頭が悪いのかしら?
    ネットで流される里親制度の情報を調べれば調べるほど、一般常識がわからなくなるわ。

    ついでに、H20年度の資料では里親登録者は7,934人でした。
    H21年度から里親登録に「4日程度の里親研修の受講」が義務づけられてから
    「里親登録の継続を躊躇する里親」が多いと聞いたけど
    (ただし「義務づけ前から里子を預かってる里親は、無研修で継続OK」というザルっぷり)
    わずか1年で7,934人から7,185人に減ったのは
    「多いと」見るか「少ない」と見るか意見が割れるところね。

  2. より:

    旧厚生省厚生白書より一部抜粋

    http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz196001/b0085.html

    この制度の問題点は年々登録里親数に対する委託を受けた里親数の比率が低くなり、また、最近登録里親数、委託里親数ともに停滞状態になつていることであり、その原因は、里親側の児童に対する希望条件がむずかしいこと、里親に支給される養育手当が少ないこと、里親と養子縁組を前提としている里親が多いことなどいろいろあるが、この制度が他の方法に比べて劣らない長所のあることを考えて、さらに伸ばしていくべきであろう。

    http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz195801/b0105.html

    しかし、ここで注意しなければならないのは、里親登録数が年年増加しているのに反して、委託率は次第に低下しているということである。これには里親側の児童に対する希望条件がむずかしいこと、里親に支給される養育手当が少額であること等の原因が考えられるが、先にも述べたように、この制度はすぐれた長所を持つている以上、委託の促進、里親の開拓などを行うことにより、その発展を図ることが必要であろう。ただこの場合注意を要するのは、措置される児童を正確に把握したうえで、その児童のためにふさわしい里親の発見に努め、かつ、里親の児童の養育について、一層積極的な指導、助力を行うべきことである。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    これは両方とも昭和三十年代のものですが、言われてることが今と全く変わりありません。シーラカンスです。
    昭和四十年代から五十年代にかけて、「家庭の愛情」などというフレーズがちらほらでてきて、現在に至ってます。

    >その原因は、里親側の児童に対する希望条件がむずかしいこと、

    ああ、やっぱり昔から…。

    >里親に支給される養育手当が少ないこと、

    ああ、今も手当てを上げろ上げろと言ってますね…。

    >里親と養子縁組を前提としている里親が多いことなどいろいろあるが、

    ああ、このフレーズ、聞き飽きたわ…。

    里親制度は進化も後退もしてない…。

    そしてこれからも…。

  3. gladiolus2009 より:

    >あさん

    貴重な資料、ありがとうございます。
    そもそも日本の「公的」里親制度は「戦争孤児の救済」がスタートです。
    昭和23年──終戦の翌年、児童福祉法で法制化されました。
    言葉は悪いですケド「浮浪児」が町にあふれてた時代です。
    施設はどこも定員オーバーの手一杯、孤児でギュウ詰めで、
    あぶれた子どもたちを「里親家庭に『収監』しよう」というモノでした。

    んで、資料にある昭和30年代は「戦争孤児」たちが成長して
    大量の「失業里親」が出始めた時期ですわね。
    当時、とくに農村では里子は社会的に「労働力」として認知されており
    里親が里子を「おしん」以下の待遇でコキ使っても問題視されない時代でした。
    タダで使える労働力を手に入れ、かつ国から「お金」をもらえるオイシイ制度。
    それに味をしめた里親たちが、戦争孤児の成長と自立で「失業」し、
    「余剰里親の失業対策」に本腰を入れはじめた時代が、昭和30年代。

    >その原因は、里親側の児童に対する希望条件がむずかしいこと

    「女の子がイイ! 障害児はイヤ! 育てにくい子はダメ!
    養子にする気はないけど、親と交流がある子は面倒だからお断り!」と
    里親が里子にアレコレ条件を出して「選り好み」してる事実はヒタ隠して、
    世間に対しては「施設が利益確保のために子どもを抱え込んでる」と虚偽情報を垂れ流す、と。
    やっぱり昔からなにひとつ変わってないんですね。

  4. kiki より:

    家族崩壊って、恐ろしいですね。

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