このブログの主旨は、里親制度の問題なので、
それ以外のテーマを取り上げるのは、控えて来ました。
私が、ネットに割ける時間と能力的に、
裾を広げ過ぎると、収拾がつかなくなる
と言う、情けない問題もあります(汗)
しかし、見過ごせない事態が起きているので、
急遽、記事にまとめます。
ある【施設育ち】と称する自称女性らが、
「児童養護施設は、虞犯少年だらけである」
と、主張しておられます。
この自称女性については、たまさんのブログ、
『はばたけ!養護施設出身者』
を、御覧戴ければと思います。
この自称女性らが、主張しているだけなら、
実害が無い限り、放っておくのですが、
困った事に、この自称女性らの流す虚偽情報を
真に受ける方が一部に居られ、
ツイッター等で、情報を拡散しておられます。
この自称女性らは、児童養護施設について、
「暴力が支配する無法地帯」のように表現し、
「施設で育った児童は、情緒障害になる」等、
非常に偏った、悪いイメージを作り上げ、
「施設は酷い所だから、里親家庭へ」
と言う主張を、巧妙に展開します。
この自称女性らが、ここまで施設を酷評し、
里親制度を推進する【目的】は、
「里親の社会的評価を守る事」
に、あると思われます。
この自称女性らが妄信する
養育里親のホームページがあります。
里親制度を推進する事が目的なら、
施設を酷評する態度は、変わらないとしても、
「子供の成長を見守る楽しみや、喜び」
「養育里親としての、やり甲斐、生き甲斐」
のような話題にも、触れると思います。
自ら希望して、好き好んで里親になったのですから。
しかし、この自称女性、もしくは里親の主張は、
里子への憎悪が滴るような苦労話ばかりで、
それを見て、誰も里親になりたいと思わないような、
悲壮な苦労ばかりを、主張しておられます。
そこに私が見た物は、
「自分の努力を認めて欲しい」
「自分の存在価値を認めて欲しい」
と言う里親自身の、悲痛な【叫び】でした。
そこに【喜び】や【生き甲斐】は、ありません。
何故なら、彼は「自分を認めて貰いたい」と言う
自分自身の激しい欲求を満たす事で、精一杯だからです。
親や周囲に【無条件に】存在価値を認められ、
受け入れられた体験のない人間は、
激しい欲求不満を抱えたまま大人になり、
その飢えを満たす事で、精一杯になります。
そう言う人間は、
子供の気持ちを、受け止める事は出来ません。
子供と向き合う余裕も、ありません。
一見、子供と向き合っているかのように
見える場合もありますが、
それは【ポーズ】にしか、過ぎません。
代理ミュンヒハウゼン症候群の母親が、
難病の【自分が病気にした】子供をケアする際に見せる
【甲斐甲斐しさ】と、病理は同じです。
彼らは、子供に薬物を飲ませる等して、
原因不明の難病に仕立て上げ、
どんな苦労も惜しまず、甲斐甲斐しくケアします。
そうする事で、「献身的な母親」と言う評価を得て、
自分の存在価値を確認します。
里親らの、不可解な言動の中に、
代理ミュンヒハウゼン症候群と母親と
同じ病理を、見い出す事が出来ます。
両者に共通している事は、
子供の幸福を望んでいない、と言う事です。
自分の飢えを慰める為に、子供に依存し、
自分を認めて貰う為に、子供を利用します。
この里親もしくは自称女性らは、
子供の幸福の為に、里親制度を推進しているのでは、
ありません。
彼らの目的は、
「里親を良く思って貰う事」であり、
「自分の存在価値を認めて貰う事」です。
この点が、他の無邪気な
【里親制度を、推進する人々】
と、大きく異なります。
世間に、里親を良く思って貰う為、
自分を認めて貰う為の【手段】として、
「里親制度を推進」しているのです。
その点を理解すれば、彼らの不可解な言動の多くが、
ストンと腑に落ちるのでは、ないでしょうか。
里親制度が内包する危険性を指摘する意見には、
「証拠を出せ」
と、激しく攻撃するのに、
自分らは、里親の評価を上げる為に、
一方的な自己申告【証拠のない情報】や、
「児童養護施設は、虞犯少年だらけ」等、
明らかな虚偽情報を、平気で垂れ流す。
実親と施設で起きた虐待は、
「いかなる事情があっても、絶対に許されない事」
として、激しく糾弾しながら、
里親から里子への虐待事件が報道されると、
「里子は問題が多いから、仕方ない」
「頑張った結果が逮捕で、悲しい」
「里親も被害者」等、虐待里親を擁護する。
「里親名称に傷付く里子が1人でもいる限り、
この活動を止めない」と息巻きながら、
その活動のせいで傷付いた里子には、
容赦ない攻撃を加え、傷に塩を塗り込む。
彼らの、一見すると辻褄の合わない、
【二重基準】や【矛盾】は、
彼らの「自分を認めて貰いたい欲求」が
原動力となっている事を理解すれば、
全てストンと、腑に落ちます。
これは、機能不全家族で育った者や、
虐待を受けて育った者に、
多く見られる特徴です。
里親の中には、恵まれない子供時代を過ごし、
心に傷を負っている者が、多いと聞きます。
私も、その危険性を、持っています。
だから私は、結婚も子供も、望みません。
里親になるつもりも、ありません。
「里親の苦労も知らず、批判するな」
「批判するなら、自分でやってみればいい」
そう言われる事もありますが、
私は、自分の抱える危険性を認識しているので、
児童福祉分野には、近付かない事にしています。
私のような、恵まれない子供時代を過ごした者、
自分の存在価値を【無条件に】認められずに育った者にとって、
児童福祉分野に貢献する事や、
里親になって、里子を育てる事は、
甘味な誘惑であるのも、また事実です。
しかし、自分の存在価値を確認する為の道具として、
無力な子供を利用する事は、決してあってはならないと、
肝に銘じています。
さて、この自称女性らの主張する、
「児童養護施設は、虞犯少年だらけ」とするお話が、
全くの虚偽情報である事は、明確な事実です。
彼らが本当に、児童養護施設に居た事があるなら、
誰よりも、良く分かっている筈だと思います。
私も、児童養護施設で暮らした経験があるので、
他の施設出身者の、ブログや体験談を拝見すると、
「あるある!」「わかる!」と思う部分が、あります。
その経験をした事がない人々は、欺けても、
同類の目は誤魔化せない、と言いましょうか。
それが、施設に【良い思い出】のある人でも、
反対に、【悪い思い出】しかない人でも。
たとえ、私の居た施設と違う部分があっても、
「私の居た施設は、こうだったけど、
この人の居た施設は、そうだったんだな」
と、素直に思える物があります。
施設のある地域や、経営母体が異なっても、
施設出身者の言葉は、「わかる」のです。
例えば、日本で中学時代を経験した日本人なら、
他の人が書いた中学時代の体験談を読めば、
学校のある地域や校風、校則は異なっても、
書き手の言葉が、「わかる」と思います。
しかし、カザフスタンや北朝鮮の人が、
「ネットや本で調べた情報を基に、
日本人になりきって書いた」
想像上の体験談だとしたら、どうでしょう?
読み手が外国人なら、誤魔化せるかも知れませんが、
日本で中学時代を過ごした日本人なら、
腑に落ちない物を、感じるのではないでしょうか。
ハリウッド映画の中で、中国系アメリカンが演じる
ステレオタイプの【日本人】を見るような、
違和感を覚えるのでは、ないでしょうか。
その【施設育ち】を称する自称女性のブログは、
【ハリウッド映画の中の日本人】
のように見えて、なりませんでした。
他の施設出身者の書いたブログのように、
「私の居た施設と違うけど、わかる!」部分がなく、
頭の中がクエスチョンマーク「?」だらけになりました。
「児童養護施設は、虞犯少年だらけ」
と言う主張は、真っ赤な嘘です。
「私が、違和感を覚える」
と言うレベルのお話ではなく、
調べれば分かる、明らかな虚偽情報です。
児童養護施設は、その名の通り、
何らかの事情で、家庭で育てられない児童に、
社会的養護を提供する施設です。
虞犯少年も、児童福祉法が定める定義では、
保護されるべき児童である事は、間違いありません。
彼らの家庭環境が、好ましくないと判断されれば、
国は、社会的養護を提供しなければなりません。
「保護されるべき児童に、社会的養護を提供する」
その言葉を、額面通りに解釈すれば、
児童養護施設に、虞犯少年を収容する事は、
不可能ではないかも知れませんが、
虞犯事由で、施設措置となった場合、
自立支援施設に送られます。
児童養護施設で、問題を起こした児童も、
自立支援施設に措置されます。
そのブログを書かれている自称女性は、
御自身が居られたと言う施設を、
「プロテスタント系」で、「大舎制」で、
「男子も居た」と、書かれています。
それらの条件を満たす施設は、かなり限定されます。
そして、施設への収容事由は、記録に残されます。
大舎制で、プロテスタント系で、男女収容。
その条件を満たす児童養護施設に、
虞犯理由で収容された児童が、何人いるかを調べれば、
「児童養護施設は、虞犯少年だらけだった」
と言う主張の真偽は、一発で明らかになります。
もし、この自称女性の書かれている事が、本当だとすれば、
外国のお話なのでは、ないでしょうか。
追記
自立支援施設も、「虞犯少年ばかり」ではありません。
そこは、何らかの事情を背負い、
従来の環境の中では「自立が難しい」と判断された児童に、
指導的養育を提供し、【自立を支援する機関】です。
当然、虞犯以外の理由で、収容される児童も居ます。
里子が親元に帰れず、住む場所もないのを知りながら、
措置終了し、お金が支給されなくなると同時に、
里子を着の身着のまま、追い出す里親が居ます。
たった15歳で追い出され、ホームレスになった里子が、
保護され、自立支援施設に収容された事例もあります。